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ヘンデル・オペラ・アリア集「愛の力」(アマンダ・フォーサイス:ソプラノ、ジャネット・ソレル指揮、アポロの炎・クリーブランド・バロック管弦楽団) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ヘンデルのオペラから、愛をテーマにしたアリア10曲を選んで歌っている。このCDの売りは、このオケによるバロック音楽の録音の多くがアメリカでベストセラーになっていることだ。曲はさすがに選ばれており、「オルランド」「セルセ」「ジュリオ・チェーザレ」「アルチーナ」などからの名アリアを聴かせる。ソプラノのフォーサイスは、技術的にはレベルが高く、技巧的なパッセージも安心して聴かせる。女流ソレルの指揮は、隅々まで血が通ったもので、オケは美しくも親しみのある音を聴かせる。全体に、ヨーロッパの高踏的な雰囲気とは違う、半分ポピュラー的なノリの大衆的なヘンデルだ。[AVIE]

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セント・ヘレナ-ナポレオンの伝説(レ・リュネジアン、ロマンティーク金管合奏団、アルノー・マルゾラーティ:総指揮) [声楽]

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[目][黒ハート] ここに集められたのは、民衆がナポレオンを称えている当時の俗謡で、時代の雰囲気が生き生きと伝わってくる。学生の頃、難しくなったクラシック音楽と、ポピュラー音楽のどちらが後代に残るのかとよく話題になった。ポピュラー音楽は昔からあったのに、結局残っていないじゃないかというのは、有力な説だった。ナポレオンの時代は、フランス人にとって景気がいい良き時代だったようで、市井で歌われた民衆の歌がこのように再現されたりする。「たまねぎの歌」など、童謡「クラリネットをこわしちゃった」からの「オパキャマラド パキャマララド パオパオ パンパンパン」の節で、すぐに親しめる。当時の録音が残されていたら、というのは贅沢な望みだろうか。録音は秀。[muso]

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松本美和子「私の名はミミ オペラ・アリア集」(マウリツィオ・バルバチーニ指揮トリノ・フィルハーモニー管弦楽団) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 松本美和子最盛期の録音で、プッチーニ、ヴェルディ中心にフランス物を加えている。素晴らしいアリア集で、まず声がこれ以上は望めないほどに磨かれていて美しい。情感がこもっており、蝶々夫人の有名なアリアなどホロリとする。音程が全音符に渡って正確で、かつ腹式発声を完全にマスターしているので瑞々しい中に力強さがあり、聴いていて日本人が歌っているような気がしない。日本人によるオペラ・アリア集としては最上の1枚、声の美しさでは砂川涼子がいるとはいえ、全体としてこれ以上のものはまあ当面はむりだろう。当時は仕事に忙しくてオペラから遠ざかり、新国立劇場での松本美和子の蝶々夫人を観なかったのは、今もって痛恨の極みだ。[Victor]

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松本美和子「魅惑/太陽と愛~近代イタリア歌曲集」(ピアノ:ヴェンチェンツォ・スカレーラ) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 1991年、松本美和子絶頂期の録音。松本美和子は、97年團伊玖磨の新作でこけら落としを行った新国立劇場で、翌98年に「蝶々夫人」のタイトル・ロールでシーズン幕開けを飾っている。この役はすでに89年にウィーン国立歌劇場で歌っていたものだ。全声域に渡って漲る張りのある声、天性の声の美しさに加えて、磨かれた声楽技巧は、相当に聴きものだ。歌曲集ではあるが、プッチーニ、マスカーニ、レオンカヴァッロ(「朝」がいい)、ヴォルフ=フェラーリなど、オペラファンにも馴染みの深い作曲家が集められており、「ラ・ボエーム」の聴きなれた旋律も出てきたりする。ほぼ全てが明るく翳りのない求愛の歌、深みを求めれば、最新の「ひとすじに」をどうぞ。[Victor]

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松本美和子「ひとすじに」(ピアノ伴奏:椎野伸一) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 日本の声楽界を代表するソプラノ松本美和子の半生を振り返るようなリート集。思うに、日本人でオペラのために生まれたような歌手が2人いて、松本美和子はそのうちの1人だ(もう1人は森麻季)。松本美和子は、日本のオペラの開花期に、イタリアやウィーンやロンドンのオペラハウスの舞台に立った最初期の国際的歌手だ。CD解説にはその頃のエピソードやらを語ったインタビューが収められていて、感慨深くもあり、性格の魅力が滲み出る。内ジャケットは当時の舞台・楽屋写真などのコラージュで、シラク元大統領なども見える。トスティなどイタリア6曲、ドイツ3曲、日本3曲、スペイン2曲、フランス4曲で、思いが込められていそうだ。最後はフォーレの「夢のあとに」で結ばれる。公演、教育など、80近くても現役で声は透明で魅力的。しばし満たされた時を過ごせる、夢のようなCD。[NAR]

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日本の合唱作品集 ~細川俊夫、武満徹、間宮芳生、近藤譲(マルクス・クリード指揮、シュトゥットガルト声楽アンサンブル) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 日本の合唱曲を、ドイツの合唱団体が日本語で歌っている。4人の作曲家が取り上げられているが、中心はやはり武満徹の作品だ。「風の馬」は、チベットの遊牧民を扱ったもので耳に残る旋律を持っている。「翼」「小さな空」は美しい旋律が誰からも愛されるだろう。細川俊夫の「蓮の花」は、透明な武満の世界を持っていて、西洋人はこの人を武満の後継とみているのだろうか。間宮芳生は、おどけたいわば日本的なスケルツォ楽章で元気がいい。合唱団のレベルは非常に高く、透明な響きが上質な時間をもたらしてくれる。日本語も問題ない仕上がり。クリードは、イギリス生まれでドイツの歌劇場合唱団を指導した。[SWRclassic]

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ブラームス「ドイツ・レクイエム」(ロランス・エキルベイ指揮アクサンチュス、ボリス・ベレゾフスキー(p)他) [声楽]

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[目] 「ドイツ・レクイエム」の、ブラームス自身の編曲による2台のピアノ伴奏盤。アクサンチュスは、女流指揮者エキルベイにより創設された32名によるフランスの室内合唱団で、そのリサイタルCD。第2ピアノはベレゾフスキーという豪華さだ。重々しいドイツの響きが理知的なラテンの響きに置き換えられていて、どの曲も合唱は迫力よりは透明感を打ち出している。私は一般的に管弦楽版とピアノ伴奏版がある場合は、たいていは後者に関心がある方で、ベレゾフスキーはさすがの迫力。しかし合唱の表現力とか深みとかはイマイチで、どうにも心に響いてこない。珍しい版で、レアものとして価値は高いだろう。[naive]

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ブラームス「ドイツ・レクイエム」(カラヤン指揮ベルリン・フィル他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ブラームスが20代の頃から作曲を始め、36歳の時に全曲を完成した大作。晩成のブラームスが最初の交響曲を書く前の作品で、ブラームスの名声を確立したと言われる。ルター訳のドイツ語の新・旧約聖書から、人生のはかなさ、人生の意味の問いかけ、死の克服、死者がその後に残すもの(作品)を歌った詩句を抜き出したテキストに作曲している。カラヤンのおハコの一つで、共感するところがあるのだろう、全体に高揚したものを感じ、第2楽章「人はみな草のごとく」などはすごい迫力だ。私の友人の中には、この曲が好きだという人が何人かいる。[Warner Classics]

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ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」作品123(クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 「第9」の終楽章に繋がるのは、直前の1~3楽章よりはこの曲だ。この曲を作曲中のベートーヴェンの頭の中には、ナポレオン戦争が渦巻いていただろう。この曲も、この曲に続く「第9」の終楽章もともに、永久平和を希求したものということが出来る。巨匠クレンペラーの指揮は、始めから終わりまで合唱も独唱もエネルギー全開、熱気とスケールの大きさと重厚感を感じさせる素晴らしいもの。「ベネディクトゥス」は、甘い独奏ヴァイオリンともども至上の美しさ。「アニュス・ディ」もミゼレーレの唱和が感動的だ。4人の独唱者の競演はこれ以上を望めないほどの出来。「ベートーヴェンの最高傑作」という評も、存続の危機を超えたニュー・フィル団員の「神様の下で演奏出来て、お金までもらえる」という言葉も、この演奏なら納得できる。音質は良い。同曲の名盤中の名盤。[EMI]

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ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」作品123(アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ベートーヴェン晩年の大作。ウィーン会議後、ナポレオンが失脚してから王政復古の時代にかけて、ベートーヴェンの作風は後期へと入る。管弦楽作品は「ミサ・ソレムニス」作品123、「献堂式序曲」作品124、「第9」作品125の3曲だ。ナポレオンを熱狂的に支持し、そして決別し、革命と反革命に翻弄された自分の人生を苦渋の中で振り返っただろう。短い軍楽が鳴った後に「我らに平和を与え給え」で終わるこの曲は、アーノンクール(この曲が献呈されたルドルフ大公血縁の末裔という)によれば、そもそも「平和」が存在しないことを前提としているという。後期は、自由主義者ベートーヴェンが、決して一直線ではなかった自分の人生を振り返り、魂の平和を求めた時期と言ってもよい。そのことを、この指揮者と共に追体験したい。[SONY]

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「パリの青春」(マリー・ペルボー(s)、他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ロンドンにいたとき、フランス人の友人にフランスのどこから来たのか聞いたことがある。彼はニヤッと笑って、「あのなあ、フランスには1つの場所しかないんだ。それはパリだ!」と言った。パリで生まれ育つということはどういうことなのだろう?花の都パリは、悲喜こもごもな表情を持っている。ここではしんみりとしたプーランクの歌曲に始まり、庶民的で明るいオペレッタの世界から、芸術的で沈鬱なヴェルレーヌ=ドビュッシーまで、パリにまつわる様々な歌を集めていて、最後はルコックのオペレッタからパリを讃える「グランド・ワルツ」で締めている。ペルボーは小さいときから親に劇場に連れて行かれて、その世界に自然に憧れを持ったという。ペルボーの声は、飛び切りの美声でとまでは言えないが、達者な役者ぶりで楽しませてくれる。[harumonia mundi]

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ブリテン「戦争レクイエム」(ヴィシネフスカヤ、ピアーズ、F=ディースカウ、ブリテン指揮、ロンドン交響楽団・合唱団他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 「戦争レクイエム」はブリテンの代表作の一つで、非常に大きな編成を要求する大作だ。これは初演の翌年1963年に、作曲者自身の指揮により録音された歴史的名盤。英国は国教会だから、教会でのミサというよりは、演奏会用の作品と思う。レクイエムという伝統的な形式を取っているが、屈折した旋律や不協和音などで響きは十分にモダンで刺激的だ。内容的にも、深いメッセージを持つ名曲と思う。余白に練習風景が収められていて、「怒りの日」ではヒステリーを起こしてほしいとか、「サンクトゥス」では出来るだけバラバラに歌ってほしいとかの指示が興味深い(対訳付き)。先端技術によるリマスタリングにより、どう聴いても最新録音のような音で蘇った。[DECCA]


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ショスタコーヴィチ「森の歌」他(パーヴォ・ヤルヴィ指揮エストニア国立交響楽団他) [声楽]

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[目][黒ハート] 西側のショスタコーヴィチ像は、多分に歪められていると思う。ショスタコーヴィチは、社会主義革命もそれを成し遂げたレーニンも崇拝していた。当時の政権については、少なくともその芸術路線を受け入れた。そして、スターリンとその植林政策を賛美するオラトリオ「森の歌」を、全く自分の意志で書いた(もっとも作詞者は、スターリン批判の後に歌詞の一部を修正したが)。そして出来上がった曲は平明で分かりやすく、戦争が勝利に終わって祖国を緑で満たそうというメッセージは、普遍性もあり感動的だ。私は今はほとんど演奏されないこの「森の歌」を、いつか良い録音で聴きたいと思っていた。ここで歌われている歌詞は修正前の初版という。ヤルヴィの指揮は、純音楽的にこの曲を盛り上げ、バスの独唱も、オケも合唱団も少年合唱団も全てが滋味あふれて素晴らしい。[ERATO]


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ブルックナー「テ・デウム、ミサ曲第1番」(マシュー・ベスト指揮コリドン・シンガーズ、コリドン・オーケストラ) [声楽]

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[目][黒ハート] ブルックナーは、もし交響曲第9番を完成できなかった場合には、この「テ・デウム」を終楽章に代えて演奏してほしいと語ったと言われる。その「テ・デウム」(ラテン語で「You God」、たぶん)だが、初めて聴いた。 これがいいのだ。内容はひたすら神の偉大さを称える開放的で明るい音楽だ。ブルックナーは9番を神に捧げる予定だったから、その隠されたプログラムは、「天地創造」というのが私の推測だ。そうすれば終楽章が「テ・デウム」というのはぴったりする。ただ今日、まず9番とこれがペアで演奏されないのは、①ハ長調であり、9番のニ短調とは遠すぎる、②あまりにも9番が宗教的になる、③明るすぎて9番の陰影感に欠ける、といった理由からだろう。演奏は、力の限りを尽くしたような発散的な歌いぶりが、宗教的なエクスタシーを感じさせる素晴らしいもの。


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パーセル「妖精の女王」(クリスティー指揮レ・ザール・フロレッサン) [声楽]

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[目] 36歳で夭折したイギリスの天才ヘンリー・パーセルによる、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」に基づく作品。 この作品は「歌劇」と呼ばれることもあるが、劇の付帯音楽に近く、歌うのは妖精を始めとする周辺キャラクターで、主要な登場人物の歌はない。だから、これを聴き通しても、筋書は分からない。それでもたっぷりとCD2枚分の音楽があって、器楽曲や歌や踊りやで変化に富んでいる。台詞はシェイクスピアの原詞ではなく、1世紀ほど後に書かれたためか、原詞よりは親しみやすいと思う。クリスティーの指揮は、無難にこなしたというもので、ハッとする瞬間がないかわりに、歯切れのよい音楽作りが耳に心地よい。ソロ歌手のクレジットはないが、よく歌っていると思う。[harmonia mundi]


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ヘンデル「メサイア」(全曲)(ポール・マクリーシュ指揮ガブリエル・コンソート) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 昨年のクリスマスの時期に買ったもの。ヘンデルは、バッハと並び称されるが、バッハの宗教曲が多く新約に基づいているのに対して、旧約に題材をとったものが多く、日本人には馴染ずらいところがある。ただ、この「メサイア」は、主人公がイエス・キリストと新約の人であることが特徴で、詩句は新約と旧約の両方から引用されていて幾分は親しみやすい(それでもメサイア=救世主という呼び方は旧約からのものだ)。 私のお気に入りは、第1部で子が生まれたことを喜ぶ合唱曲だ(これも旧約からの引用だが)。マクリーシュは私の好きな指揮者で、その指揮は端正で歯切れがよく、透明感のある清々しくて明るい音色が特徴だ。[ARCHIV]


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日本の歌~花は咲く(ソプラノ:森麻季、ピアノ:辻井伸行、山岸茂人) [声楽]

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[目][黒ハート] 「花は咲く」「Stand Alone」をフィーチャーしたアルバム。山田耕作などの名作や最近の曲なども収められている。相変わらず清澄な歌声は、森麻季ならではのものだ。ただ声楽パートは控え目。森麻季をオペラでほとんど見れないのは残念だが、個性的なリサイタル盤には事欠かない。このアルバムは懐かしい日本のメロディーが中心だが、中に「見上げてごらん夜の星を」と「千の風になって」が収められているのが目を引き、どうしてもこの2曲を聴いてしまう。中身はもちろんいいが、日本盤は3000円とちょっと高い。森麻季だからまあいっか、と思ってレジに行くと3240円也。まあ、森麻季だからいっか、とほほ・・・。[avex]


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シェーンベルク「グレの歌」(全曲)(アバド指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、イェルザレム(T)他) [声楽]

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[目][黒ハート] ドイツ・ロマン派の最後に位置すると同時に、その後、無調を経て12音技法を開拓することにより20世紀の音楽に多大な影響を与えたシェーンベルクの初期の大作。独唱、合唱と巨大なオーケストラのために書かれており、このために53段の楽譜を特注したと言われる。大部分を20代半ばの時に仕上げていながら、既にドイツ・後期ロマン派の爛熟し完成した作風を示している。内容はヴァルデマール王とトーヴェの道ならぬ恋と、嫉妬した女王によるトーヴェの殺害、王の嘆きと、神による祝福を歌ったもの。全編が恋を歌った物語という点で、「トリスタンとイゾルデ」のオラトリオ版とも見れる。最後の壮大な混声合唱がもたらすカタルシスは、調性音楽による感情表現が頂点を極め、この先がないことを予感させる。アバドの指揮は明るく健康的なもので、語りは女声を使って効果を挙げている。[Grammophon]


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GLORYLAND(歌:アノニマス4) [声楽]

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[目][黒ハート] アメリカの開拓史にまつわるゴスペル、フォークソング、賛美歌などの歌を集めたアルバム。 歌っているアノニマス4は、女性4人のアカペラのグループで、欧米では大変に人気があるようだ。4人といっても、混声や重唱と違い、いずれも清澄な声が美しいソプラノで、独自の明るくかつ敬虔な雰囲気がある。ここでは2人の男性器楽奏者を加えていて、全19曲をソロから全員まで、様々な組み合わせで歌っている。どの曲も、神を称えながら仕事に励むような宗教的な内容を持っており、アメリカ人の心のルーツに触れる思いだ。私は、このうちタイトル曲「Gloryland」を始めとする4曲のゴスペルが特に好きだ。英語ではあるが、歌詞を収めたブックレットが付いている。[harmonia mundi]


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「ブタが飛べた」~20世紀の児童合唱曲集(ニュー・ロンドン児童合唱団、ロナルド・コープ:指揮) [声楽]

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[目] 20世紀に書かれた14人のイギリス人(たぶん全部)の作曲家による児童合唱曲を集めたアルバム。ニュー・ロンドン児童合唱団は7歳から18歳までの児童(少女?)からなり、活発な活動を行っている団体のようだ。特に印象に残るのは、ジョン・ラターによる「大地の美しさのゆえに(For the beauty of the earth)」と題された曲で、「大地の美しさのゆえに、時々の美しさのゆえに、人の愛の喜びのゆえに、私はあなたを讃えます」と神への感謝を歌う宗教曲だが、感動的な歌詞で、メロディーもハーモニーも非常に美しい(ここ-歌詞付き-で聴けます)。この曲だけでも買う価値がある。30歳でケンブリッジ大学クレア・カレッジの学長になったというラターの合唱曲は、世界中で歌われているという。チルコットの「ゆりとばら」も、イギリス中世のひなびた哀愁を感じさせて心に残る。ただネットでダウンロード出来るとはいうものの、英文歌詞カードくらいは付けて欲しい![NAXOS]


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