松本美和子「魅惑/太陽と愛~近代イタリア歌曲集」(ピアノ:ヴェンチェンツォ・スカレーラ) [声楽]
1991年、松本美和子絶頂期の録音。松本美和子は、97年團伊玖磨の新作でこけら落としを行った新国立劇場で、翌98年に「蝶々夫人」のタイトル・ロールでシーズン幕開けを飾っている。この役はすでに89年にウィーン国立歌劇場で歌っていたものだ。全声域に渡って漲る張りのある声、天性の声の美しさに加えて、磨かれた声楽技巧は、相当に聴きものだ。歌曲集ではあるが、プッチーニ、マスカーニ、レオンカヴァッロ(「朝」がいい)、ヴォルフ=フェラーリなど、オペラファンにも馴染みの深い作曲家が集められており、「ラ・ボエーム」の聴きなれた旋律も出てきたりする。ほぼ全てが明るく翳りのない求愛の歌、深みを求めれば、最新の「ひとすじに」をどうぞ。[Victor]
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