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チャイコフスキー「くるみ割り人形とねずみの王様」(ポール・コネリー指揮チューリヒ・オペラ劇場) [バレエ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] E.T.A.ホフマンの原作から、チャイコフスキーがバレエ化に際してカットした部分を復活した「完全版」による、目から鱗が落ちる公演。当然に同じ素材の音楽は組み替えられており、王子がねずみによりくるみ割り人形に変えられた経緯が分かるので、元の王子に戻った時の感動が表現される。三大バレエの中で最後の「くるみ割り人形」の音楽には、一種の畏敬の念を抱いてきた。色彩的で近代的な楽器法、巧みな対旋律など、不思議な魅力を持った名曲だ。オケは十分に本格的で快調、指揮もスリリングにストーリーを追ってスピード感あふれるもので、共にこの画期的な振付を盛り上げている。それにしても、チューリヒの歌劇場がなぜこんなに素晴らしい公演ができるかが不思議だ。

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ミンクス:バレエ「ドン・キホーテ」(オランダ国立バレエ、オランダ・シンフォニア他) [バレエ]

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[わーい(嬉しい顔)] たいていのクラシック・ファンは、ロシアで活躍したレオン・ミンクス(1826-1917)の名も、代表作「ドン・キホーテ」も知らないのではないだろうか。しかしこれが、今日のバレエ界の最人気曲の一つなのだ。この公演はマリウス・プティパという人の振付をベースにしており、この高名な振付師の流れがチャイコフスキー、アダン、ドリーブ、グラズノフなど現在のバレエのメインストリームを形作っている。それにはみ出た人たちを集めたのが興行師セルゲイ・ディアギレフで、パリを拠点にストラヴィンスキー、サティ、ラベル、ドビュッシーなどが尖がったバレエ曲を作曲し、今日のコンサートの定番となる近代管弦楽曲の名曲を生み出したが、実はバレエ界では全くの傍流で、めったに上演されない。ここでの音楽は明るく楽しく、深みはないが耳に快いハッピーな旋律に溢れ、人気なのがよく分かる。バレエ音楽のこのような分断には、複雑な思いがする。[Art Haus]

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ドリーブ:「コッペリア」(パリ・オペラ座公演、コーエン・ケッセル指揮コロンヌ管弦楽団) [バレエ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] これは通常の「コッペリア」ではない。バレエ版の読み替えであり、ホフマンの原作に立ち帰りストーリーは変えられ、音楽もドリーブの他の作品から挿入され、特段の物語性のない第3幕はカットされている。コッペリウスは理想の女性を求めて人形を作る一方で、主人公スワニルダに心を惹かれる若い男性となり、最後は幻想的なシーンで終わる。ロマンチック・バレエでは、音楽は脇役だった。音楽がストーリーを楽劇のように追ったのは、ストラヴィンスキーの「火の鳥」が最初と言われる。この「コッペリア」はそれに近く、あたかも音楽が舞踊を視覚化しているかのようだ。ピットに入るコロンヌ管は美しい響きを聴かせ、情感の豊かなケッセルの指揮は脇役の域を超えている。主役を踊るフランス人ドロテア・ジルベールは非常に好感度の高い人。素晴らしい再創造の公演と思う。[Opus Arte]

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プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」(マーティン・ウエスト指揮サン・フランシスコ・オペラ劇場ライブ) [バレエ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 初めて観たバレエ公演は、「ロメオとジュリエット」だった。たまたま滞在していたイギリス・スコットランドの首都エディンバラで、サン・フランシスコ・バレエの海外公演だった。感情の起伏の大きな演奏で、最後の消え入るような音楽に感動した。以来、私は甘いロマンティックな旋律がある一方で、鋭い暴力的な響きを持った、隅々まで音楽が充実したこの曲に特別な愛着を持っている。その時のサン・フランシスコとはメンバーもまるで違うが、このバレエ団の十八番なのだろう、やはり感情の起伏の大きい、伸び伸びとして充実した公演だ。原曲通り、マンドリンが入るのもいい。主役のみならず脇もよく固めていて、日本人ダンサーのマツヤマ・ノリカなどは観ていて唖然とするほど楽しい。この曲はオケに対する要求度も高いが、オペラ・ハウスのオケは超一流とは言えないまでも、迫力は十分だ。この曲は、これからも多くの人を感動させ続けていくだろう。

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