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ヴェルディ「椿姫」(スコット、ブルソン、クラウス、ムーティ指揮フィルハーモニア管) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 名盤中の名盤。スコット、ブルソン、クラウスという全盛期の3人が世界最高とも言うべき声の競演を聴かせる。「椿姫」のストーリーは、父親の説得に対して、ヴィオレッタが別れることを承諾するところが最大の山場だ。だから第2幕のヴィオレッタとジェルモンの2重唱が一番の聴きもので、本当によく聴いて感動した。ブルソンのジェルモンは、威圧をもって登場するが、次第に慈愛の心と包容力もってヴィオレッタと心が通じ合う。この役は、ブルソンが最高と思う。1980年録音で、この頃は常任指揮者のムーティが指揮するフィルハーモニア管は「World's Finest Orchestra」として鉄壁のアンサンブルを誇った。私は当時ロンドンに住んでいて、フィルハーモニア管が世界一と思ったものだ。[EMI]

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ロンバーグ 喜歌劇「学生王子」(抜粋)(ジョン・エドワーズ指揮フィルハーモニア管弦楽団、レンダール、ヒル=スミス、ベイリー他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 原戯曲の「懐かしのハイデルベルク」は、20世紀前半の大ヒット作品だったようだ。懐かしさと郷愁に満ちたこのオペレッタ(ミュージカル?)は、何度か映画にもなっている。これは1989年デジタル録音による抜粋盤。cpo盤より本格的なオペラ録音の雰囲気を持っており、オケが名門フィルハーモニアであること、ノーマン・ベイリーという高名な歌手が出ていることから、布陣も比較的本格的だ。抜粋でも個々の曲を聴くには便利だ。ロンドン録音いうのも台詞が英語であることを考えると頷ける。しかし、cpo盤は地の台詞なしで1時間半あるのに対して、37分というのはいかにも物足りない。むせぶようなcpo盤に対して、音ははっきり、くっきり、そこが魅力と言えば魅力か。[curtail call]

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ロンバーグ 喜歌劇「学生王子」(ジョン・マウチェリ指揮ケルン放送管弦楽団・合唱団、ヴォルティヒ、ペーターゼン他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 世の中に「胸キュン・オペラ」というものがあるとしたら「エフゲニー・オネーギン」だろうが、「胸キュン・オペレッタ」の代表は、この「学生王子」ではないだろうか。ロンバーグ作曲の1924年ブロードウェイ作品で、原作は戯曲「アルト・ハイデルベルグ」だ。とある国の王子が、ハイデルベルグ大学に学生として在籍し、下宿屋の娘ケーティと恋仲になるが、やがて本国に呼び戻される。ある日、懐かしさからその街を再び訪れてケーティーとも再会する…。「学生王子のセレナーデ」が有名で、甘く切ない。最近の上演は聞かないが、学生時代に二期会の公演で観て、それ以来の大のお気に入りだ。この演奏は映画音楽風だが、全編に流れるどこか懐かしい音楽の数々が切ない。[cpo]

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ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(ジョルダン指揮バイロイト祝祭管、フォレ、シュヴァーネヴィルムス他) [オペラ]

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[目][黒ハート] ワーグナー家は、長男ジークフリートの妻ヴィニフレートを始めとしてナチスと近かったという暗い過去を持っている。ここではユダヤ系の人気演出家バリー・コスキーが、そのことを正面から明るく扱った。総監督カタリーナ・ワーグナーの英断だろう。ザックスもワルターもワーグナー自身の分身という設定。2幕のケンカの場面で、ユダヤ人ベックメーサーがのけ者にされる。3幕はなんとニュルンベルク裁判で、歌合戦の歌は証人の証言となるが、最後はワーグナーの音楽の素晴らしさがすべてに勝るというような結末。バレンボイムを持ち出すまでもなく、今はユダヤ人もワーグナーの音楽を認める。しかし汎ドイツ的、反ユダヤ的な本丸「マイスタージンガー」に切り込んだところが衝撃的だ。

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ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(V.ヤノフスキ指揮ロンドン・フィル、フィンレイ、ガブラー他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 2011年、グラインドボーン音楽祭での実況映像。「マイスタージンガー」は、16世紀に実在したハンス・ザックスという著名な親方歌手をモデルとした「歴史物」と見ることが出来るが、同時に向こう三軒の隣人たちを中心とする「世話物」と見ることもできる。マクヴィカーの演出は、男やもめのザックスと、小さい頃からハンスに育てられハンスを慕うエファの関係を前面に出し、大きな思想性を持ったこのオペラを、まるで一篇の人情噺のように仕上げた。小さな劇場の特性を生かした、いつまでも心に残るいい舞台と思う。ザックス役のフィンレイは内に秘めた感情をよく表し、エファ役のカブラーはザックスを慕う心を歌と表情で印象的に表現した。ヤノフスキも細部に至るまで好演。

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ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(ヴァイグレ指揮バイロイト祝祭管、フォークト、フォレ他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート]カタリーナ・ワーグナーが演出した 2018年バイロイト音楽祭の実況映像。やんちゃないたずら小僧のワルターも、ラフな服装で煙草を吸うハンス・ザックスも、共に歌合戦では正装して、中世ドイツの伝統に立ち返って幕。中世と現代を行き来する中で、お面をかぶったドイツの大作曲家たちが出てきてふざけるなどの不可解な内容で物議を呼び起こした。カタリーナ・ワーグナーという人は、映像を伴った音楽の力に特別な感覚を持った人のようで、最後のザックスのドイツの中世文化を讃える演説は、暗い舞台の両袖に2つの堂々たる銅像がセリ上がり、映像効果も抜群、素晴らしく感動的だ。指揮のヴァイグレは重厚なドイツの音を出し、ドイツ人で固めた歌手もザックス役のハヴラータをはじめ快調。
(付論)
このBDには広瀬大介さんの、権威に帰ったザックスの演説を敢えて空虚に響かせたのが演出意図か、と解説が付いている。根拠があってのことだろうが、全く理解できない。私には、神聖ローマ帝国、さらには悪夢の第三帝国を超えて、なお生き続けるドイツ中世以来の音楽文化を素直に讃えたように聞こえる。登場する作曲家で最も意味があるのはワーグナー自身で、トップレスの女性たち(ナチス?)によってさんざん持ち上げられたバカ騒ぎの残物を、ザックスは全て燃やしてしまう。廃墟から現在まで来たドイツは自信を持ち始めている。今さらの自己否定ではなく、自己肯定こそがこの演出の意図するところと思う。

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モーツァルト 「魔笛」(マーク・アルブレヒト指揮オランダ室内管弦楽団他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 非常に変わったところが多いひねりにひねった演出だが、大筋は変えておらず、読み替えとまではいかない。指揮が音楽的に非常に優れていてオケも好演、総合的には満足度の高い演奏と思う。夜の女王はヒステリックな車いすの老婆、3人の童子は見すぼらしい乞食のような恰好というように意味不明の独自性があるが、気にならない。歌手では、ザラストロを歌うブリンドレイ・シェラットが、現代的なインテリジェンスを持つ有徳の人物を演じて歌っているのが印象的。他の歌手陣もレベルが揃っており好感が持てる。オランダの劇場での演奏は、オペラもバレエも映像になって触れる機会が多くなったが、どれもレベルが高いうえにハズレがない。

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モーツァルト 「魔笛」(コンスタンティノス・カリディス指揮ウィーン・フィル他) [オペラ]

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[目][黒ハート] ザルツブルグ音楽祭の公演。最大の話題はリディア・シュタイアーによる演出で、読み替えの一線を越えて、登場人物を一人増やしてお爺さんが3人の子供たち(3人の童子)に魔笛の話を読んで聞かせるという体裁をとっている。台詞は従って同じ内容だが新たに書き下ろされている。ザラストロはサーカスの団長のようでもあり、アメリカの大統領のようでもある。衝撃的なのは、最後に彼の部下がモノスタトスを銃で殺し、夜の女王の銃殺も示唆されるところで子供たちが怖がって寝るところで幕となる。要は、争いはどちらも悪いという話で、お爺さんの話という構図をとる意味が分かる。移民問題などを視野に入れた優れた演出だと思うが、演奏はテンポが動きすぎ、落ち着かないもので全くよくないのが残念。

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モーツァルト 「魔笛」(ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ラトルの「魔笛」は特に聴きたいと思わないが、ベルリン・フィルとなると話は別だ。バーデン=バーデン復活祭では、ベルリン・フィルのオペラが見れるようで、ザルツブルグのウィーン・フィルの向こうを張っている。最初の序曲からしてベルリン・フィルの唖然とさせられるほどの見事な演奏が聴ける。弦も木管も金管も完璧。ロバート・カーセンによる読み替え演出で、夜の女王、3人の侍女、ザラストロは共同でタミーノ、パミーナに試練を課したという解釈になっている。まあ、台本は矛盾しているからそう読めないこともないが、なら何を観客は楽しめばいいの、となってしまう。アナ・ドゥルロフスキの夜の女王はワンピース、ハイヒールで出てくるが、歌唱力は聴きものだ。


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ガーシュウィン:歌劇「ポーギーとベス」(サンフランシスコ歌劇場ライブ、指揮ジョン・ドメイン他)) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ガーシュウィンに興味のある人なら、歌劇「ポーギーとベス」の名前は知っている。でも、聴いたことがある人は少ないし、観たことがある人はほとんどいないだろう。私はこんな内容とは思わず、驚きかつ感動した。甘い恋愛劇ではない。足が悪くて物乞いをして生活をしているポーギーと、荒くれ者の彼氏が殺人を犯したので、成り行きでポーギーと一緒になったベスを中心に、彼らを取り巻くサウス・カロライナ州黒人地区の騒然としてパワフルな生活の一コマが描かれる。これは、自身はユダヤ系ロシア人のガーシュウィンが書いた、黒人歌手だけのための、ジャズのイディオムを取り入れた最高作であるとともに問題作(依然として)だ。歌手ではベスを歌うラキータ・ミシェルの伸びた声がとりわけ素晴らしい。出演者はほぼ黒人だけ、スタンディング・オベーションの観客は白人しか見えず、複雑な思いだ。ジャケットはそっけないが、カラフルなブックレットが付く。日本語字幕付き。

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ベッリーニ: 歌劇「ノルマ」(マチェラータ歌劇場ライブ)(ミケーレ・ガンバ指揮、マリア・ホセ・シーリ(S)他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] イタリア半島中東部にある小都市マチェラータにおける音楽祭での野外公演のライブ。出演者は誰一人として知らないが、非常に満足感の高い演奏。シーリはウルグアイ出身で新国立でトスカを歌ったのだというが、まずは水準を超えた堂々たる歌唱。滔々と流れる美しいアリア、重唱、合唱、そしてガンバの指揮による緊迫感あるドラマに引き込まれる。オケは弦も管もそれなりの情感を奏で、アダルジーザを始めとする歌手陣もみな立派。シンプルな舞台は光の色彩が非常に美しく、早逝の天才作曲家ベッリーニによる、まさにベルカント・オペラ最高峰の充実感を堪能できる。序曲、「清らかな女神」など、もとよりカラス盤のような凄みはないが、このようなイタリア地方都市の素晴らしい公演を堪能できるのは、映像ならではだ。

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ワーグナー「タンホイザー」(2014年バイロイト音楽祭ライブ) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 【ネタバレ】ショッキングな公演。「読み替え」というよりは「創作」に近いが、ヴェヌスを単なる悪役とは捉えてこなかった戦後バイロイトの伝統の上に立つもので、感動的だ。演出はセバスチァン・バウムガルテンだが、全体を統括するカタリーナ・ワーグナーの見事なまでの成果だろうか。第1幕でヴェヌスはタンホイザーの子を妊娠している。ここまでは単なるアイデアだが、そのヴェヌスが歌合戦の会場に妊婦として現れ、追いやられるあたりがコミカルだ。3幕夕星の歌はヴェヌスを夕星に見立てて歌われ、その後、奇跡が起こり、タンホイザーとヴェヌス、そしてその子(混血児であることが示唆される)は、赦されて神の祝福を受ける。ヨーロッパが芸術でその高い理念を示したことは、アメリカの排外的な政治情勢を考えると感慨深い。演奏は幕を追うほどに力を増すもので、迫力ある合唱は特に素晴らしい。この演奏を熱狂的に迎い入れる聴衆の存在もまた感動的だ。日本語字幕は付かない。

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プッチーニ「トスカ」(全曲)(カラス、ベルゴンツイ、ゴッビ他、プレートル指揮パリ音楽院管弦楽団) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 往年の名盤。レコードの盤面が擦り切れるほど聴いた人も多いのではないだろうか。最新のリマスターで最新録音のような音になった。カラスは指揮者を選ぶ歌手だ。スカラ座時代はカラヤンとセラフィンが多く、パリ時代はほぼこのプレートルに限られる。共通点があって、みなドラマを作り上げることに長けている。同じコンビの「カルメン」との違いは、オケがパリ・オペラ座管から1ランク上のパリ音楽院管になっていることだ。その成果は絶大で、このオケが雄弁な名演が生まれた。最初の1音から最後の1音まで、息詰まるような緊迫感が続き、全ての音符、フレーズにドラマが宿っている。プレートルは相当な力量だ。カラス、ベルゴンツイもさることながら、ゴッビのスカルピアが凄い悪役ぶりを発揮する。[Warner Classics]

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ビゼー「カルメン」(全曲)(カラス、ゲッダ、プレートル指揮パリ・オペラ座管弦楽団) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] カラスのカルメン。とにかく、カラスの声楽的な完璧さにひたすら圧倒される演奏だ。プロの歌手というのは技術的には一定の水準を誰もがクリアしているのだろうけど、ここでのカラスの音程、リズムの正確さは、それらと比べても一桁違うというほどのものだ。それに加えて、声の音色が一音一音変化し、喉が完全にコントロールされていることが分かる。ベル・カント歌手がロマンチック・オペラを歌っていること、ソプラノがメゾ・ソプラノの役を歌っていることなどを考えると、ますます驚異的だ。ジプシーの踊り、ハバネラなどどの歌も何度聴き返しても、ドキドキする。昔はカラスの魅力は分からなかった。妖艶さが魅力なのだろうかと思ったりもした。今はこれだけの技巧を努力によって得たこのソプラノに対して、尊敬の念を禁じ得ない。[EMI]


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ワーグナー「ワルキューレ」(マイヤ、シュテンメ、オニール他、バレンボイム指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ミラノ・スカラ座の「指輪」には因縁がある。ここで描かれる神々の世界がハプスブルク家を想起させるとすれば、ミラノのあるロンバルディア地方は1861年のイタリア統一まで事実上オーストリア帝国に属していたのであり、ハプスブルク家の統治下にあった。そうでなくともこの公演のレベルの高さは、聴衆の素晴らしさとともに感慨がある。バレンボイムは、いまや世界最高のワーグナー指揮者の一人でこの音楽ドラマを隅々まで理解しており、光を駆使したギー・カシアスの演出も出色だ。ワトソン、トムリンソン、シュテンメなどの歌手陣も豪華絢爛たる歌唱を聴かせる。スカラ座管弦楽団の力強さ、迫力は、団員の緊張した表情とともに、イタリアのオケのイメージを覆すものだ。オーストリア帝国文化圏のウィーンが第一級のイタリア・オペラを聴かせるように、スカラ座もまた第一級のワーグナーを聴かせる。[NHK Video]


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チャイコフスキー 歌劇「エフゲニー・オネーギン(全曲)」(フレーニレ(S)他、レヴァイン指揮ドレスデン国立歌劇場管) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] チャイコフスキーの名作オペラの1987年録音の名演奏。 まずもって、隅々まで血が通って生命感に溢れるレヴァインの指揮が素晴らしい。メトロポリタン以外でもこのような名演をすることに、この指揮者の才能を改めて感じる。そしてドレスデン歌劇場のオケの素晴らしく美しい弦楽器と、一人一人がソリスト並みの自発性をもって躍動する木管楽器の素晴らしさ。この作品に対する共感が伝わってくるような演奏だ。歌手では、フレーニの伸び伸びして情感のこもった声がいい。この時期としては色艶があって、高い表現力と相まって何の不満も感じない。この作品はロシア物と言っても、洗練された西欧文化を体現し、何度聴いても違和感なく作品に溶け込めて飽きない。[DG]


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ザ・オペラ・プラットフォーム [オペラ]

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Netflixで映画が、Google Musicで音楽が自由に見たり聞いたり出来るようになった。ベルリン・フィルの演奏会も鑑賞できる。それで、オペラもネットで見れないかと思ったら、あった。それも無料で全曲がHD品質で楽しめる。それが、theoperaplatformというサイトだ。期限付きだが、数本の中から選べる。現在公開中のものは、「エフゲニ・オネーギン」「マクベス」「パルシファル」など8本だ。(うち1本は残念ながら日本では見れない。YouTubeでもかなりのオペラ全曲がHD品質で見れる)。オペラの上演は随分とお金がかかっていると思うが、なぜタダで見れるのかは分からない。ヨーロッパのそうそうたるオペラハウスがこのサイトに参加している。オペラの普及のためとしたら、ファンにとって有り難いサイトだ。


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プッチーニ:「ラ・ボエーム」(リカルド・シャイー指揮、バレンシア歌劇場での2012年のライブ) [オペラ]

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[目][黒ハート] バレンシアはスペイン第3の都市で、そこの歌劇場はCDではまず聴かれないが、BL(ブルーレイ)による映像で目にすることが出来るようになったのはオペラ・ファンとしては嬉しい。内容も、どれをとっても水準が高く楽しめる。この公演は、まず指揮のシャイーだろう。いつものようにメリハリが効いていて、明るくて快活でエネルギッシュ。イタリア人らしく、どのアリア・場面でも、強靭なカンタービレが聴きものだ。音楽は湿っぽくならないが、演出は情感が豊かで、マルチェッロのキャンバスとシンクロして背景に印象派の絵が次々に現れ、最後はほろっとさせる。歌手はよく知らないが、ロドルフォのアキレス・マチャドは声がよく伸びていて「冷たい手を」は聴きものだ。ミミのギャル・ジェイムズは、嫌みのない雰囲気と歌唱で好まれるだろう。日本語字幕が付いている。[accentus music]


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ラベル「子供と魔法」(全曲)(レナード、SKF松本合唱団・児童合唱団、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ) [オペラ]

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 [わーい(嬉しい顔)][黒ハート] グラミー賞受賞で話題になったが、小澤征爾の最高の演奏では?と思えるほどに素晴らしい。まずはオケで、最初の木管からその自発性、音楽性に一瞬にして魅せられる。このオケは、団員名簿に竹澤恭子や岩崎洸の名がさりげなく含まれているように、ソリストを集めたような団体だが、それが指揮者のもとに一体となっている。核となっているのは桐朋学園で教えた故斎藤秀雄の弟子たちで、鍛えられた技術と、技術を生かした自発性を特徴として、そのスタイルは日本の演奏史に一時代を築いた(桐朋の名は最近はあまり聞かないなあ)。小澤征爾の指揮は、自発性、躍動感に加えて、いつまでも失われない若々しさ、瑞々しさが魅力だ。[DECCA]


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ベルディ「トロバトーレ」(全曲)(ベルゴンツィ、コッソット、バスティアニーニ、セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 1962年録音、戦後のミラノ・スカラ座を代表する名盤の一つ。これを買ったのは、ルーナ伯爵を歌うバスティアニーニを聴きたかったからだ。この往年の名バリトンは、歌唱に唯一無二とも言える貴族的な格調と高貴さがあり、2幕のアリア「君の微笑み」は、とても敵役とは思えないほどに胸に迫って来る。つくづく歌唱人生を全うできなかったことが残念だ。コッソットは声楽的に完璧、その近代的な歌唱は、大時代的なシミオナートとは対照的だが、硬質で張りのある声質が素晴らしい。そして全体を引き締めているのは、もちろんセラフィンのぴたりと型にはまった指揮だ。自由奔放なシッパース盤とは対照的で、イタリアオペラの伝統に根ざして、その醍醐味を伝える。[DG]


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