ショスタコーヴィチ「森の歌」他(パーヴォ・ヤルヴィ指揮エストニア国立交響楽団他) [声楽]
西側のショスタコーヴィチ像は、多分に歪められていると思う。ショスタコーヴィチは、社会主義革命もそれを成し遂げたレーニンも崇拝していた。当時の政権については、少なくともその芸術路線を受け入れた。そして、スターリンとその植林政策を賛美するオラトリオ「森の歌」を、全く自分の意志で書いた(もっとも作詞者は、スターリン批判の後に歌詞の一部を修正したが)。そして出来上がった曲は平明で分かりやすく、戦争が勝利に終わって祖国を緑で満たそうというメッセージは、普遍性もあり感動的だ。私は今はほとんど演奏されないこの「森の歌」を、いつか良い録音で聴きたいと思っていた。ここで歌われている歌詞は修正前の初版という。ヤルヴィの指揮は、純音楽的にこの曲を盛り上げ、バスの独唱も、オケも合唱団も少年合唱団も全てが滋味あふれて素晴らしい。[ERATO]
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