ブリテン「戦争レクイエム」(ヴィシネフスカヤ、ピアーズ、F=ディースカウ、ブリテン指揮、ロンドン交響楽団・合唱団他) [声楽]
「戦争レクイエム」はブリテンの代表作の一つで、非常に大きな編成を要求する大作だ。これは初演の翌年1963年に、作曲者自身の指揮により録音された歴史的名盤。英国は国教会だから、教会でのミサというよりは、演奏会用の作品と思う。レクイエムという伝統的な形式を取っているが、屈折した旋律や不協和音などで響きは十分にモダンで刺激的だ。内容的にも、深いメッセージを持つ名曲と思う。余白に練習風景が収められていて、「怒りの日」ではヒステリーを起こしてほしいとか、「サンクトゥス」では出来るだけバラバラに歌ってほしいとかの指示が興味深い(対訳付き)。先端技術によるリマスタリングにより、どう聴いても最新録音のような音で蘇った。[DECCA]
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