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プロコフィエフ「交響曲第6番」他(ヴァシリー・ペトレンコ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 人気の交響曲5番と7番に挟まれた不人気曲6番と、ミヤスコフスキーの最も有名な最後の交響曲第27番を収めたCD。プロコフィエフの6番は、同時期に書かれた5番とともに「戦争交響曲」であるが、勝利の喜びを感じさせる5番に対して、犠牲者を偲ぶ面を持つ複雑な曲だ。ムラヴィンスキーがしばしば取り上げ、聴くほどに味わいの増す名曲と思う。行進曲風の最終楽章の最後の方では、トーンクラスターの凄まじい不協和音が炸裂する。ペトレンコは、例によって高い合奏力を要求し、オスロ・フィルから歯切れのいい明確なリズムを引き出して、持続する緊張感でこの深みを持った曲を聴かせる。オスロ・フィルの金管の切れ味の鋭い響きが心地よい。録音も優秀。[LAWO]

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ショスタコーヴィッチ「ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番」(アリーナ・イブラギモヴァ、ユロフスキ指揮ロシア国立交響楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] イブラギモヴァのヴァイオリンを1時間以上に渡って聴けるのは幸せだ。ショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲2曲が収められているが、両曲とも似たような暗くどんよりとした曲想を持つ。このうちでは、「夜想曲」「スケルツォ」パッサカリア」「ブルレスケ」と題された性格的な4楽章からなり、より大きな規模を持った第1番が傑作だし印象にも残る。イブラギモヴァは超絶技巧を随所で見せるが、実演では音量がどうなのだろうと思わせる。ユロフスキの指揮は万全で、オケも切れ味の良さを聴かせる。[hyperion]
(オマケ)ジャケットの絵は、マリアンネ・フォン・ヴェレフキンという女流画家による「黒い女性たち」(1910年)で、ロシア生まれでドイツに渡り表現主義画家となった画家の、不思議な心象風景を描いたものだ。音楽とは関係がないが、よくマッチしている。

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ハイドン「交響曲第6番「朝」、第7番「昼」、第8番「夕」」(ジョルジュ・ヴァシェジ指揮オルフェオ管弦楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ハイドンの交響曲は、後期のロンドン・セットに尽きると思っている私にとって、ごく初期のこれらの作品は晩年の交響曲への習作の意味しか持たないものと思っていた。少なくとも、疾風怒濤時代の曲は高名な「告別」などでもそう感じる。しかしこの3曲は良くできていて、繰り返しの鑑賞に堪える。特に「夕」の第2楽章などは、弦楽四重奏も内に織り込んで、しっとりとした抒情を奏でる。エステルハーツィ公への就職活動の一環として書かれたその契機からしても、ハイドンの意気込みが伝わってくる。ゆかりの地のゆかりの建物での響きも、この録音に価値を加えている。[ACCENT]


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ショスタコーヴィッチ「交響曲第11番『1905年』」(ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー弦楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 時々の権力者との関係がどうあれ、ショスタコーヴィチはロシア社会主義革命の理想を信奉していた。この曲は、ロシア第一次革命とも言われる1905年の「血の日曜日」事件をテーマとしている。この事件は、多くの犠牲者を出した悲劇だ。全体に非常に力の入った作品で、特に印象に残るのは「永遠の記憶」と題された第3楽章で、哀歌と言っていいような荘重で感情にダイレクトに訴えるような音楽となっている。ショスタコーヴィチの緩徐楽章が苦手だった私の心にも響いてくる。迫力のある第1楽章後半、第2楽章なども聴きものだ。ユロフスキの指揮は優れた構成力で聴かせる。[LPO Label]

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ロンバーグ 喜歌劇「学生王子」(抜粋)(ジョン・エドワーズ指揮フィルハーモニア管弦楽団、レンダール、ヒル=スミス、ベイリー他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 原戯曲の「懐かしのハイデルベルク」は、20世紀前半の大ヒット作品だったようだ。懐かしさと郷愁に満ちたこのオペレッタ(ミュージカル?)は、何度か映画にもなっている。これは1989年デジタル録音による抜粋盤。cpo盤より本格的なオペラ録音の雰囲気を持っており、オケが名門フィルハーモニアであること、ノーマン・ベイリーという高名な歌手が出ていることから、布陣も比較的本格的だ。抜粋でも個々の曲を聴くには便利だ。ロンドン録音いうのも台詞が英語であることを考えると頷ける。しかし、cpo盤は地の台詞なしで1時間半あるのに対して、37分というのはいかにも物足りない。むせぶようなcpo盤に対して、音ははっきり、くっきり、そこが魅力と言えば魅力か。[curtail call]

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ロンバーグ 喜歌劇「学生王子」(ジョン・マウチェリ指揮ケルン放送管弦楽団・合唱団、ヴォルティヒ、ペーターゼン他) [オペラ]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 世の中に「胸キュン・オペラ」というものがあるとしたら「エフゲニー・オネーギン」だろうが、「胸キュン・オペレッタ」の代表は、この「学生王子」ではないだろうか。ロンバーグ作曲の1924年ブロードウェイ作品で、原作は戯曲「アルト・ハイデルベルグ」だ。とある国の王子が、ハイデルベルグ大学に学生として在籍し、下宿屋の娘ケーティと恋仲になるが、やがて本国に呼び戻される。ある日、懐かしさからその街を再び訪れてケーティーとも再会する…。「学生王子のセレナーデ」が有名で、甘く切ない。最近の上演は聞かないが、学生時代に二期会の公演で観て、それ以来の大のお気に入りだ。この演奏は映画音楽風だが、全編に流れるどこか懐かしい音楽の数々が切ない。[cpo]

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日本の合唱作品集 ~細川俊夫、武満徹、間宮芳生、近藤譲(マルクス・クリード指揮、シュトゥットガルト声楽アンサンブル) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 日本の合唱曲を、ドイツの合唱団体が日本語で歌っている。4人の作曲家が取り上げられているが、中心はやはり武満徹の作品だ。「風の馬」は、チベットの遊牧民を扱ったもので耳に残る旋律を持っている。「翼」「小さな空」は美しい旋律が誰からも愛されるだろう。細川俊夫の「蓮の花」は、透明な武満の世界を持っていて、西洋人はこの人を武満の後継とみているのだろうか。間宮芳生は、おどけたいわば日本的なスケルツォ楽章で元気がいい。合唱団のレベルは非常に高く、透明な響きが上質な時間をもたらしてくれる。日本語も問題ない仕上がり。クリードは、イギリス生まれでドイツの歌劇場合唱団を指導した。[SWRclassic]

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ブラームス「ドイツ・レクイエム」(ロランス・エキルベイ指揮アクサンチュス、ボリス・ベレゾフスキー(p)他) [声楽]

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[目] 「ドイツ・レクイエム」の、ブラームス自身の編曲による2台のピアノ伴奏盤。アクサンチュスは、女流指揮者エキルベイにより創設された32名によるフランスの室内合唱団で、そのリサイタルCD。第2ピアノはベレゾフスキーという豪華さだ。重々しいドイツの響きが理知的なラテンの響きに置き換えられていて、どの曲も合唱は迫力よりは透明感を打ち出している。私は一般的に管弦楽版とピアノ伴奏版がある場合は、たいていは後者に関心がある方で、ベレゾフスキーはさすがの迫力。しかし合唱の表現力とか深みとかはイマイチで、どうにも心に響いてこない。珍しい版で、レアものとして価値は高いだろう。[naive]

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ブラームス「ドイツ・レクイエム」(カラヤン指揮ベルリン・フィル他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ブラームスが20代の頃から作曲を始め、36歳の時に全曲を完成した大作。晩成のブラームスが最初の交響曲を書く前の作品で、ブラームスの名声を確立したと言われる。ルター訳のドイツ語の新・旧約聖書から、人生のはかなさ、人生の意味の問いかけ、死の克服、死者がその後に残すもの(作品)を歌った詩句を抜き出したテキストに作曲している。カラヤンのおハコの一つで、共感するところがあるのだろう、全体に高揚したものを感じ、第2楽章「人はみな草のごとく」などはすごい迫力だ。私の友人の中には、この曲が好きだという人が何人かいる。[Warner Classics]

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ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」作品123(クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 「第9」の終楽章に繋がるのは、直前の1~3楽章よりはこの曲だ。この曲を作曲中のベートーヴェンの頭の中には、ナポレオン戦争が渦巻いていただろう。この曲も、この曲に続く「第9」の終楽章もともに、永久平和を希求したものということが出来る。巨匠クレンペラーの指揮は、始めから終わりまで合唱も独唱もエネルギー全開、熱気とスケールの大きさと重厚感を感じさせる素晴らしいもの。「ベネディクトゥス」は、甘い独奏ヴァイオリンともども至上の美しさ。「アニュス・ディ」もミゼレーレの唱和が感動的だ。4人の独唱者の競演はこれ以上を望めないほどの出来。「ベートーヴェンの最高傑作」という評も、存続の危機を超えたニュー・フィル団員の「神様の下で演奏出来て、お金までもらえる」という言葉も、この演奏なら納得できる。音質は良い。同曲の名盤中の名盤。[EMI]

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ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」作品123(アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス他) [声楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] ベートーヴェン晩年の大作。ウィーン会議後、ナポレオンが失脚してから王政復古の時代にかけて、ベートーヴェンの作風は後期へと入る。管弦楽作品は「ミサ・ソレムニス」作品123、「献堂式序曲」作品124、「第9」作品125の3曲だ。ナポレオンを熱狂的に支持し、そして決別し、革命と反革命に翻弄された自分の人生を苦渋の中で振り返っただろう。短い軍楽が鳴った後に「我らに平和を与え給え」で終わるこの曲は、アーノンクール(この曲が献呈されたルドルフ大公血縁の末裔という)によれば、そもそも「平和」が存在しないことを前提としているという。後期は、自由主義者ベートーヴェンが、決して一直線ではなかった自分の人生を振り返り、魂の平和を求めた時期と言ってもよい。そのことを、この指揮者と共に追体験したい。[SONY]

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「the journey」(ピアノ:レオン・フライシャー) [ピアノ]

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[目][黒ハート] 最近亡くなった往年のピアニストの2005年の録音。バッハに始まりモーツァルト、ショパン、ストラヴィンスキーの作品を演奏している。フライシャーは、病気で右手の自由を失い、しばらく左手のピアニストとして演奏活動をしていたが、これはリハビリにより両手を復活させてからの録音。モーツァルトはソナタ4番をしっとりと演奏している。わずか17歳の時の作品だが、陰影に富む憂いを帯びた曲想は、この時の心境にマッチしたのだろう。ショパンの子守歌も、穏やかな演奏。感動的な演奏、と言いたいところだが、あくまで硬質な抒情は感傷的な感情移入を許さないところがあり、むしろこのピアニストの内面の強さが伺える。[Vangaurd]

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ハイドン「交響曲第94番『驚愕』、第95番、第97番」(ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 2017年に亡くなったジェフリー・テイトの指揮になるハイドンのロンドン・セットからの3曲。これ以前の交響曲と比べて格段と書法が充実していて、まるで別人の作品を聴いているようだ。カギはモーツァルトの3大交響曲以降の作品だということだろう(知っていたという証拠はないが)。「驚愕」にしても第95番にしても、第1楽章で主題の楽想が豊かに展開していくところなど、心からの充実感に満たされる。イギリス室内管弦楽団の弦楽器の響きが聞き惚れるほどに美しい。常任指揮者の地位にあったテイトの指揮も、全体をしっかり捉えた構成力の上に、知性と情感を併せ持った、何度聴いても飽きないほどの自然な音楽の流れを作り出している。隠れた名盤。[EMI]

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チャイコフスキー「白鳥の湖(全曲)」(ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] モスクワのオケは色々あってどこが本命なのか分かりづらいが、ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、プレトニョフによって1990年に創設されたこのロシア・ナショナル管弦楽団がトップという呼び声が高い。プレトニョフらしく速いパッセージでは技巧を誇示するかのような場面もあり、かなりの水準にあることが分かる。「白鳥の湖」は比較的初期の作品だが、その時期にしかないそこはかとない詩情があって音楽だけは昔から好きだった。この演奏は、ドラマチックというよりは、その詩情を感じさせる演奏で、もう少し色彩感を求める向きもあるだろうが、品のあるいい演奏と思う。プレトニョフのピアノ演奏と同じ印象だ。[ONDINE]

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RESOUND: ベートーヴェン「劇音楽『エグモント』、序曲『献堂式』」(マルティン・ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミー管弦楽団他) [管弦楽]

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[目] 「RESOUND」と題されたこのシリーズは、ベートーヴェンの作品を、現存する限りそれが初演されたホールで古楽器演奏するというもの。この条件に当てはまるのは余白の「献堂式」序曲で、こけら落としとして初演された会場=ウィーンのヨーゼフシュタット劇場で録音されている。わりと堂々とした響きに、当時のひなびた金管楽器や木管楽器、弦楽器の音が追体験でき、ある種の感慨がある。エグモントも同じ劇場での録音だが、こちらは初演場所ではない。間奏曲やらアリアなど音楽全体が演奏されているが、断片的であり、繰り返し聴くにはスタジオ録音?のナレーションは必要かと思ってしまう。ハーゼルベックの指揮には、響きの歴史的意義以上のものは感じない。「献堂式」を聴くべきCD。[α-classics]

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ベートーヴェン「劇音楽『アテネの廃墟』作品113他」(マルクス・ボッシュ指揮カペラ・アクイレイア、ブルーノ・チェコ・フィル合唱団他) [管弦楽]

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[目][黒ハート] ベートーヴェンの作品番号は後期だが作曲は中期の劇付随音楽。ブタペストの新しい劇場のこけら落としのために作曲された。序曲も短いのであまり演奏されないが、これはナレーション入りで音楽を全部集めている。ギリシャのアテネはトルコのために廃墟と化したが、今やその文化をハプスブルク家の下にハンガリーが再興しようとしている、といったような多分に政治的なメッセージを含む内容の劇だ。演奏は指揮もオケも非常に良く、どっしりとした響きを録音が鮮明に捉えている。有名な「トルコ行進曲」はテンポが軽快、劇の中と思うとさすがに気分が出る。[cpo]

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ハイドン「パリ交響曲(交響曲第82ー87番)」(トーマス・ファイ指揮ハイデルベルク交響楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] フリーメイソンの会員であったハイドンは、フランス革命の数年前の時期に、パリのロッジ(会員集会所)から交響曲の作曲依頼を受ける。このロッジのパトロンはマリー・アントワネットだった。6曲の充実した書法の曲が書かれ、動物の鳴き声を思わせる82番「熊」、83番「めんどり」は特に楽しく聴ける。「王妃」と名付けられた85番はアントワネットのお気に入りだったとされ、「ロマンス」と題された2楽章が美しい。一方で内容的な深さはいまいち、ハイドンの交響曲はロンドン・セット12曲に尽きるというのも頷ける。ハイデルベルク交響楽団は、最初はチンドン屋のような響きに戸惑うが、じきに慣れる。ファイの指揮は元気のいいもので、これらの曲を若々しく楽しく聴かせる。[haenssler]

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チャイコフスキー「眠れる森の美女(全曲)」(ウラディーミル・ユロフスキ指揮ロシア交響楽団) [管弦楽]

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[わーい(嬉しい顔)][黒ハート] 「眠れる森の美女」は、まるで全体がガラのように華やかで絢爛たる音楽に満ち溢れたバレエだ。プロローグと3幕からなるが、物語がかろうじて進行するのが第1幕と第2幕で、主人公オーロラ姫にとってみれば眠らされる以外には特段の悲劇性もなく、バレエ全体が幸福感に満ちている。ユロフスキは一見して才気を感じさせる風貌だが、実際に出てくる音楽は一音一音に血が通っていて、時に強弱のメリハリが強い反面、全体としては安定的な作品構築と心が和むような音楽作りに非常に好感が持てる人だ。オケは正確には「エフゲニー・スヴェトラーノフ」の名が冠せられており、この中道的な指揮者に敬意を表しているほどに情感がある。ライブだが会場に起因するのか、ノイズ感があるのが名演だけに残念。[ica]

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ハイドン「弦楽四重奏曲第57番-62番『第1トスト』作品54&55(全6曲)」(ロンドン・ハイドン四重奏団) [室内楽]

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[目] ハイドンの「トスト」弦楽四重奏は、パリ交響曲とロンドン・セット交響曲の間の時期に書かれた。作品33の四重奏曲の評判から、ハイドンの弦楽四重奏曲はヨーロッパで大人気、出版社間では新作の楽譜の出版を争うほどだったという。素晴らしい作品33と比べると、書法は一段と充実しているが、反面地味だ。全体に第1バイオリンが活躍するのが特徴。58番が有名だが、ゆったりと始まる変奏曲を第1楽章として持つ61番「剃刀」もいい。ロンドン・ハイドン四重奏団は古楽器団体で、当然にハイドンを得意としていて全集の一環。[Hyperion]

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Innovators(バルトーク第2番、ベートーヴェン「セリオーソ」、ラベル)(ベンユーネス四重奏団) [室内楽]

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[目][黒ハート] 「イノベーターズ(革新者たち)」というタイトルを持ったコンセプト・アルバム。「ドビュッシーの和声、ベートーヴェンの進行形(Progressive Form)、バッハの対位法を総合できないか」というバルトークの言葉が引用されている。10年のキャリアの中から選んだ選曲という。そういう気持ちでバルトークの2番を聴くと、様々な要素が織り交ざっているような気がしてくるが。ベンユーネス四重奏団は、第一ヴァイオリンを弾くザラ・ベンユーネス(ジャケット写真右下)が主宰するイギリスの団体。近現代に強みを持ち、ダンスやジャズとの共演もあるようだ。[Champs Hill]

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