歌劇「コシ・ファン・トゥッテ(フルート四重奏版)」(ヴォルフガング・シュルツ:フルート、ウィーン・フィルハーモニア弦楽三重奏団) [室内楽]
ウィーン・フィルというのは、シュルツなのだ。私たちがウィーン・フィルという時にイメージするオケの音色は、シュルツのフルートの音色とぴったりと重なり合う。 共に、柔らかく、内に豪華さを秘め、音楽が弾むように前へ前へと進み、やがて聴くものは無上の幸福感に満たされる。技巧も、音楽性も、何もかもがトップ・クラスだ。ここではシュルツとウィーン・フィルのメンバーとの共演で、十八番のモーツァルトのオペラからのナンバーを演奏している。弦がやや控えめなのは、各パートのトップではないからか、あるいはシュルツを立ててからだろうか。その代わり、名旋律の数々をシュルツのフルートでたっぷりと聴くことが出来る。1970年から首席を勤めてきたシュルツも、今季で引退という。ウィーン・フィルの音色がどのように変わるのか、それはそれでまた楽しみでもある。[camerata]
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