パガニーニ「24のカプリース(奇想曲)作品1」(ターニャ・ベッカー=ベンダー:ヴァイオリン) [器楽]
パガニーニの24の奇想曲は、技巧的には相当に難しいと思うが、ヴァイオリニストにはまずそれを全く感じさせないことが求められる。その点において、ベッカー=ベンダーは申し分がない。また、ドイツ人だけあって、軽快さや美音とかを求めることはできないが、それに代わるものとして、かなり濃厚な表情付けや、いくらかデモーニッシュなところがある。ただ24の曲集は、1曲1曲が重くて独立しているから、そういうスタイルで通して聴くとかなりしんどい。それやあれやで、「之を楽しむに如かず」の境地まではいかないが、しかしこの力演は聴き応えたっぷりだ。(なお、ジャケットは「サリエリの夢」と題された泰西名画で、女性もベッカー=ベンダーではないので注意!)[hyperion]
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