ショパン「12の練習曲 作品10、即興曲他」(三浦友理枝、ピアノ) [ピアノ]
このピアニストは聴き手を幸せにする。私はハ長調の最初の一音から、しばし幸福なひと時を過ごした。何を隠そう私は、三浦友理枝の隠れファンなのだ。新譜の時はSACDであきらめたが、これは高音質CDでの再発。練習曲作品10は極め付きの名曲だが、作品25がペアになっていないのは明るさを通したかったからか。三浦友理枝の武器は、暖かい幸せ感を感じさせるヤマハ・ピアノの音色だ。戦後の成長期に、この音色が日本人に感じさせた幸せな将来への夢は、何物にも代えがたい価値を持った。女性らしいどの一音にも神経が行き届いた細やかさと、女性らしからぬ力強い打鍵。これからも若い人たちや子供たちに、スタインウェイにも負けないクール・ジャパンの幸せな音色と音楽を届けてほしい。[avex]
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