ヘンデル「クラヴサン曲集」(クリスチャーノ・オウツ:チェンバロ) [ピアノ]
バロックは、バッハの存在があまりにも大きいから、同年生まれながら、音楽スタイルも生き方も色々な面でバッハとは対照的だったヘンデルを知るのは喜びだ。ヘンデルのチェンバロ曲集は、バッハほど系統立てて録音されていないのが不思議なくらい親しめる曲が多い。このCDは、ケフェレックほどのオーラを感じることはないが、滋味な古楽器の響きが耳に快い佳演。短調の曲集を集めており、ケフェレック盤とはあまり曲もダブっていないのも有難い。ニ短調(HWV428)のアリアは10分近い長い曲だが、単純な曲想に心が和んで、幾度となく聴きたくなる。最後は、比較的よく知られたパッサカリアで華やかに終わるのもいいと思う。2011年度レコード・アカデミー賞録音賞。[RAMEE]
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