ザ・ビートルズ「レット・イット・ビー・ネイキッド」 [ビートルズ]
オリジナルの「レット・イット・ビー」から、プロデュースしたフィル・スペクター(殺人容疑で一審無罪もなお公判中。相当に変わった人らしい)が「勝手に」入れた女性コーラスとオーケストラを取り除いたもの。音はデジタル処理で目覚ましく良くなっている。もともと発売当初からポールは「ロング・アンド・ワインディング・ロード」に対して、「ビートルズの曲に女性コーラスが入ったことなんかない!」と激怒したことが伝えられていた。私はこの甘ったるい編曲が大嫌いだったので、シンプルな新バージョンの素晴らしさは感涙モノだ。オリジナル・アルバムは当初、「ゲット・バック」のタイトルで発売される予定だった。この歌は初期のシンプルなバンド・サウンドへの回帰宣言のように見られている。そういう背景からも、「レット・イット・ビー」はようやく当初の意図された姿で出てきたと言える。価値の薄い断片曲に代えて、ジョンの傑作「ドント・レット・ミー・ダウン」が収録されているのも良い(なお、オリジナルは日本では最も売れたアルバムという。全世界では当然に「アビー・ロード」だ)。[Apple/EMI]
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